2011年10月27日木曜日

音楽と政治

先日、映画「upside down」http://www.udcrs.net/を観に行こうと思って間に合えばいーかくらいの感じで自転車こいでたら、結局、間に合わなかった。

まあ、それはいいとして、その帰りになぜUKの音楽、特にブリットポップが好きなのか、考えてみたりした。
ブリットポップが画期的だったのは、それまでアンダーグラウンド視されていた、万年野党音楽がオーヴァーグラウンドで勝利したことだ。
それはstone rosesやthe smith、happy mondays辺りから始まったと思う。

その時のイギリス政治といえば、サッチャリズムの終焉期で、その最大の弊害といえば、貧富の格差の大幅な拡大とそれに伴う低所得者層の一層の困窮であった。サッチャー政権は、市場メカニズムが浸透し、「努力すれば報われ、怠けていれば困窮する」競争的な社会システムをつくり上げることで、人々の働く意欲が高まると期待した。
ところが現実には、働きたくても何ら技能も経験もない、いわば競争のスタートラインにすら立てない層が存在し、彼らは改革の痛みを全面に受けたわけだ。

そこにブリットポップ勢が台頭してきた。特にoasisは労働者階級のバンドだったため、ブレア党首の労働党に近づかれた。oasisのノエル・ギャラガーも、この国の若者に希望を持たせることのできる人物としてブレアの名前を挙げたりしてた。
この頃に労働党がイメージアップのためにブリットポップの音楽イベントなどに顔を出して若者に顔を売り、総選挙に勝つわけだ。
それで若者が参政するならそれでもよかったんじゃないかと思う。

と書くと、労働党がバンドを利用して、与党を勝ち取った、となるし、一般にもそういわれている。
sleeperのルイーズ・ウェナーは、ノエルのことを「首相官邸に行った瞬間、去勢された」とか言ってたけど。
 実際、セックス・ドラッグ街道を転げ落ち、UKロックシーンを長期的に蘇生させることはできなかった。
しかも政治家に利用され、裏切られた(湾岸戦争に兵士を派遣した)。

てなわけで、否定的な文脈で書くのは簡単だけど、でも逆に、こういったことがあったから、ブリットポップもここまでのムーブメントにならなかったかもしれない、と思ったりもする。そういうところが面白い。ブリットポップに限らず、外国の音楽は政治や社会へのメッセージを歌や音にしてるのもよい。皮肉も交えながら。と個人的に思ったりするわけです。

その辺は10年くらい前の「live forever」がさらりと教えてくれている。



日本でそんなことが起こりうるだろうか?階級制度の名残や国民性もあるし、まあ、ないだろう。
今、日本で誰が売れてるのか、よく知らないけど、若い人に影響力ある人がもっと選挙に行こうって言えば、投票率も上がるんじゃないか。。。
また、貧富の格差の拡大も最近の日本で問題になってたりしてる。
今や世界2位の格差国だと聞いたこともあるけど。

upside downは1000円の日に観に行こう。

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